遠く昔の記憶
今はもう森も君もいないけれど
いないけれども

ある森で少年は妖精と出会う

木漏れ日が引き合わせた出会いはほんの偶然
孤独だった僕らは互いに手を取り合ったんだ

幼い二人は時が経つのも忘れて夢中で互いを語った
「また明日も会えるよね」約束は叶うと信じ

無情にも時は過ぎ去ってかけがえのない物程あっさりと
思い出という箱に仕舞われたまま再び開かれずに

思い出の箱に気づいた時は時既に遅く森は燃え

大切だった友も守れず
約束さえ果たさなかった僕にさえ
明日は優しく迎えてくれる
悲しみを諌めるように聞こえてる忘れ得ぬ君の声

遠く昔の記憶
今はもう君もあの頃の僕も
いないけれども